今月の主題 臨床医のための神経内科学
鑑別診断のポイント
頭痛
坂井 文彦
1
Fumihiko Sakai
1
1北里大学医学部・内科
pp.1274-1275
発行日 1983年8月10日
Published Date 1983/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218372
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頭痛はめまい,しびれとともに神経内科外来でもっとも頻度の高い訴えの1つである.頭痛の訴えは病態生理学的要因のみならず,心理学的要因にも強く影響を受けることが多く,また頭痛の訴え方もそれぞれの患者によりさまざまに異なることが多いため,詳細な問診が不可欠となり,診断にかなりの時間を必要とすることが多い.頭痛が本来自覚的な症状で他覚的所見に乏しいため,問診にある程度の時間をさくことは不可欠としても,頭痛の成立機序あるいは病態生理を十分理解しておくことにより,問診を効果的に,またより短時間に行うことは可能である.鑑別診断が中途半端なまま単に鎮痛剤あるいは精神安定剤の長期投与を行うことは,時として器質性疾患による頭痛の診断を遅らせる原因ともなる.
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