今月の主題 肝・胆・膵疾患の画像診断
各検査法の進歩と限界
胆・膵画像診断のすべて
RI検査—膵
山﨑 統四郎
1
1放射線医学総合研究所・臨床研究部臨床第1研究室
pp.1198-1201
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221011
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膵シンチグラフィは,一般に形態診断法として位置づけられており,現在のようにX線CT,超音波検査,MRIなどの有用な検査法が普及した時代には,必ずしも広く用いられる検査とはいい難い.しかし膵シンチグラフィは,膵局所の外分泌機能を反映したイメージングであるから,単なる形態診断法ではなく,膵臓の局所での代謝機能を表すものである.その結果として,腫瘍部が欠損として示されたり,炎症のために膵がまったく描出されないなどの所見が得られる.
膵シンチグラフィが最近好まれなくなった1つの理由として,本検査に広く使われてきた75Seの物理半減期が120日とかなり長いことがあげられる.しかし,サイクロトロンの普及に伴い,物理半減期20分の11Cを標識したアミノ酸を利用した膵シンチグラフィが一部の施設では行えるようになってきた.
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