今月の主題 循環器疾患の画像診断
各論
大動脈疾患
中島 伸之
1
1国立循環器病センター・心臓血管外科
pp.1088-1096
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220995
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日常臨床でしばしば経験する大動脈疾患としては,動脈硬化性病変や動脈炎に起因する通常の嚢状,または紡錘状動脈瘤やcystic medial necrosisに代表される変性病変が主因と考えられる大動脈解離,大動脈縮窄症,または大動脈炎症候群によるいわゆるpseudocoarctation,また稀には腎動脈下大動脈の閉塞をきたすLeriche症候群などが挙げられよう.形態的表現としては,これら疾患は狭窄性(閉塞をふくめて),または拡張性病変のいずれかに分類することができ,単独で認められることが多いが,同時に合併して存在することもある.部位的には胸部,胸腹部,または腹部と分けて考えられるが,解離症例やMegaloaortaのように広範囲に及んでいるものもある.
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