今月の主題 内科医に必要な救急治療
おもな救急疾患とその治療
狭心症
大江 透
1
1国立循環器病センター・緊急部
pp.846-847
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220951
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狭心症は心筋の一過性の虚血により生ずる特有な胸部不快感を主症状とする臨床症候群である.心筋の一過性虚血は,心筋への酸素の供給が需要においつかない時に起こる.心筋の酸素需要(酸素消費)は心拍数と収縮期血圧に依存している.一方,心筋への酸素供給を決定しているのは冠血流である.正常では,冠血流は心筋の酸素需要に応じて増加し狭心症は起こらない.しかし,冠状動脈の器質的狭窄が存在したり,冠状動脈にスパスムが起こると冠血流が減少し,狭心症が起こる.
狭心症は,通常,1)心筋の酸素消費量が増加する場合におこる労作狭心症,2)心筋の酸素消費量の増加とは無関係に起こる安静狭心症,に分けられる.
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