今月の主題 呼吸不全とその管理
人工的呼吸管理
ECLA,ECMO—その現状と臨床経験
寺崎 秀則
1
1熊本大学医学部・麻酔科
pp.640-641
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220895
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現状
1)新生児重症呼吸不全に対するECMO(extracorporeal membrane oxygenation)
米国のBartlettは,新生児重症呼吸不全にECMOを応用して高い救命率を報告している.体重2kg以上,生後7日以内の呼吸不全症例で,NICUにおける最大限の治療(薬物治療,外科手術,100%酸素とベンチレーターによるガス交換補助)にもかかわらず,表1に示す5項目中いずれか1つの項目に該当する症例をECMOの適応としている.なお,II度(脳室内出血)以上の高度の頭蓋内出血症例,救命できても正常生活不可能と推測される症例(長期心停止後の蘇生例)は禁忌である.以上の条件を満たす症例を対象に,ECMOと従来のベンチーター治療をprospective randomized studyで比較した結果,ECMOは有意に救命率が高いことが証明された1).
現在,米国では年間数百例の新生児ECMOが実施されている.わが国でも新生児ECMOの救命例が報告されるようになった.
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