今月の主題 呼吸不全とその管理
呼吸不全の治療
酸素療法のステップと選択
浅井 貞宏
1
1長崎大学医学部・第2内科
pp.604-605
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220885
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呼吸不全における低酸素血症発生の病態としては,①肺胞低換気,②拡散障害,③VA/Q不均等分布,④シャント,の4つが考えられる.このうち,②,③によるものが最もよい酸素療法の適応となる.①の肺胞低換気が存在する場合には,高濃度の酸素を投与すると換気障害を増強するので注意が必要である.④のシャントの場合は,それをきたした病態の改善が第1である.酸素療法の効果は,低酸素血症の是正による重要臓器の機能回復,換気仕事量,心筋仕事量の低減などによって現れる.
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