今月の主題 甲状腺疾患—up-to-date
甲状腺疾患の画像診断
radionuclide検査
笠木 寛治
1
,
小西 淳二
1
1京都大学医学部・核医学科
pp.410-414
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220842
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
甲状腺は血中の無機ヨードを選択的に取り込み,これを有機化して甲状腺ホルモンを合成し,分泌している.したがって放射性ヨードを用いることにより,甲状腺内におけるヨード代謝の状態を観察することができる他,甲状腺内に集積した放射能を検出することにより,甲状腺の像を得ることが可能である.前者は主として甲状腺ヨード摂取率として甲状腺機能異常の診断に応用され,後者は甲状腺シンチグラフィーとして甲状腺の形,大きさ,位置異常,甲状腺内のヨードの分布状態に関する情報を提供し,甲状腺疾患の画像診断に応用されている.
このような放射性ヨードとしてわが国では1952年より131Iが用いられてきたが,最近では被曝線量のより低い123Iまたは99mTcO4-(99mTc-過テクネチウム酸塩)の使用が推奨されている.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.