特集 内分泌疾患を診きわめる
甲状腺疾患
ホルモン過剰症:甲状腺中毒症
【原発性甲状腺機能亢進症】
潜在性甲状腺機能亢進症
笠木 寛治
1
1高松赤十字病院内分泌代謝科
pp.2146-2149
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224505
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ポイント
●潜在性甲状腺機能中毒症には内因性と外因性がある.外因性の主な原因としては甲状腺ホルモン薬投与があり,不必要な過剰投与は避けるべきである.
●潜在性甲状腺機能亢進症では血中遊離甲状腺ホルモン濃度は正常でも,個人の組織レベルで“thyrotoxic”であり,心房細動や骨粗鬆症の発生率が増加する.
●潜在性甲状腺機能亢進症の代表的疾患として,Basedow病,AFTN,MNGなどが挙げられるが,わが国ではBasedow病が圧倒的に多い.
●Basedow病による潜在性甲状腺機能亢進症では甲状腺機能は不安定であるが,顕性亢進症に移行する危険性がそれほど高いわけではない.
●TSH濃度が0.1μIU/mL以下のGrade2のほうが,0.1μIU/mL〜基準値下限であるGrade1より,心房細動の発生率が高く,骨密度が低く,顕性甲状腺機能亢進症を発症しやすい.
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