今月の主題 甲状腺疾患—up-to-date
甲状腺疾患の画像診断
甲状腺の超音波断層診断
貴田岡 正史
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.398-402
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220840
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超音波断層検査は腹部臓器を中心にその普及は著しく,その有用性については論を待たない.甲状腺に関しても,超音波断層像は7.5MHzを中心とした,高分解能の装置を用いるようになってからその解像力は格段に向上し,甲状腺の各種の画像診断の中でその簡便さと無侵襲性,無被曝性の故に,第一選択とされることが多くなった.
甲状腺疾患において,超音波検査の対象となるのは,甲状腺にび漫性腫大をきたすもの,限局性に腫瘤の触れるものなど,ほとんどの甲状腺疾患がその適応となる.甲状腺の超音波診断の目的は,大きく分けて3つが挙げられる.第1は結節性病変の存在診断であり,第2はその結節性病変の質的診断,第3はび漫性甲状腺腫の大きさの客観的評価とその形状の把握である.
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