カラーグラフ リンパ節疾患の臨床病理
皮膚病性リンパ節炎
新井 栄一
1
,
片山 勲
1
1埼玉医科大学・第1病理
pp.293-296
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220820
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皮膚疾患に伴うリンパ節の病態の中で最も代表的で重要なものが皮膚病性リンパ節炎である.皮膚病性リンパ節炎は,種々の皮膚疾患,ことに全身性の慢性皮膚疾患に伴って表在性リンパ節の腫脹をきたす反応性の疾患である.この疾患を紹介し,リンパ節の組織病理鑑別上重要である菌状息肉症(mycosis fungoides,以下MFと略す)とセザリー症候群(Sézary syndrome,以下SSと略す)についても言及することが本稿の目的である.
皮膚病性リンパ節炎という名称からは,すべての皮膚病変に起こりうるリンパ節変化像であるかのごとき印象を受けやすいが,厳密には上記のとおり,慢性炎症性の皮膚疾患の場合のみを指している.
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