臨床メモ
リンパ節炎
北原 光夫
1,2
Mtsuo Kitahara
1,2
1東京都済生会中央病院・内科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.1314
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219145
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リンパ節腫脹は,さまざまな疾患によってひき起こされる症状であり,感染症もその1つの原因である.感染症にみられるリンパ節の腫脹は,単発的なもの,局所的に腫れるもの(regional lymphadenitis),あるいは全身性感染症の結果全身のリンパ節が腫れるものに分けることができる.
急性単発的,あるいは局所的リンパ節炎で最も多くみられる部位は頚部リンパ節である.化膿性のリンパ節であると腫脹は3cm以上であり,圧痛と皮膚の発赤を伴っている.発熱はほとんどの例にみられる.原因菌として,group A溶連菌やブドウ球菌が大部分をしめる.しかし,化膿性リンパ節炎をみることは近年は稀で,むしろ非化膿性の原因菌によるものが多い.もちろんその大多数はウイルス性の疾患であり,いわゆるself-limitedである.こうしたウイルス性の頚部リンパ節炎は単なる咽頭炎,喉頭炎などに起こるもので,リンパ節腫脹のサイズもそれほど大きくならない.
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