臨時増刊特集 図解 診療基本手技
Ⅲ 救急手技
D 緊急検査法
44.心臓超音波検査法
鈴木 順一
1
,
羽田 勝征
1
,
坂本 二哉
1
1東京大学医学部・第2内科
pp.2348-2353
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220703
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適応と禁忌および合併症
心臓超音波検査法は心臓・胸部大血管系の形態的情報,機能的情報および血流情報を提供するものであり,その非侵襲性と検査手技の簡便性とから,本法は緊急時に十分対応し得る検査法である.したがって緊急時に,これらの情報が診断および治療に必須と考えられるすべての場合が適応であり,禁忌となる場合はない.
実際には,突然の呼吸困難,胸痛およびショックが本法の適応となる症状である.急性心筋梗塞,狭心症,解離性大動脈瘤,心タンポナーデ,心筋炎および先天性心疾患,後天性弁膜症,うっ血型心筋症,心膜疾患,肺疾患などによる急性心不全が鑑別疾患である.
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