今月の主題 意識障害へのアプローチ
意識障害のトピックス
脳死の診断基準
後藤 文男
1
1慶応大学医学部・神経内科
pp.1896-1900
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220610
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1986年の1月に厚生省「脳死に関する研究」班(班長・竹内一夫教授)によって「脳死の判定指針および判定基準」1)が発表されてから,医学界のみならず,一般社会的にも論議を呼び,医学雑誌はもちろん,新聞や一般雑誌にも脳死の問題がしばしば取り上げられている.従って医師にとっては脳死に関する正確な知識と,脳死を正しく診断出来る能力を要求されている.しかし,医師といえども神経内科,脳外科,救急医学,麻酔科などの専門家以外では,必ずしもこれらの社会的要求に答えるだけの能力を有していないのが実状ではないだろうか.前述の厚生省の判定指針および判定基準は膨大な資料をもとにして,国際的評価にも耐えられる正確さを維持しながら,すべての医師が理解し,実際に使用出来るように配慮されている.是非一読をおすすめするが,その生まれるに至った背景を含めて簡単な紹介を行いたい.
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