今月の主題 狭心症—各種治療手段の適応
薬物療法
硝酸薬,カルシウム拮抗薬,β遮断薬
草間 芳樹
1
,
高野 照夫
2
1日本医科大学・第1内科
2日本医科大学・集中治療室
pp.1510-1513
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220522
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狭心発作は心筋酸素消費量と酸素供給の不均衡に基づく一過性心筋虚血により出現する.図11)のごとく,心筋酸素消費量は心拍数,心収縮性,左室内圧,左室容積の上昇に伴い増加し,一方,冠循環における動静脈酸素較差は他の臓器とは異なり最大に近いため,心筋への酸素供給量は冠血流量の増減に伴い変化する.
狭心症を病態により分類すると,
1)器質的冠狭窄により冠血流量が減少し,運動時など,心筋酸素消費量が増え酸素供給量を越えた場合虚血が出現するsecondary angina.
2)冠スパズム,血小板凝集に起因する機能的冠狭窄に伴う一過性冠血流量減少により虚血が出現するprimary anginaに分類され2),上記の器質的冠狭窄および機能的冠狭窄が心筋虚血出現に関与する程度は症例により差がある3).
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