特集 小児の頭痛
各論 小児の片頭痛 片頭痛の薬物療法
予防的治療―カルシウム拮抗薬,β遮断薬,抗うつ薬,漢方薬,そのほか
中澤 友幸
1
NAKAZAWA Tomoyuki
1
1東京都立豊島病院小児科
pp.163-165
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002243
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
『頭痛の診療ガイドライン2021』において「小児・思春期の片頭痛予防薬の適応は,非薬物療法にても改善が乏しく,日常生活に支障をきたす頭痛が頻回(月に4回以上)にみられる際に考慮する。回数はあくまで目安であり,一律に頭痛の発作頻度で適応を決めるのではなく,患児や家族の不安を加味し,生活支障度をもとに決定する」との記述があり,具体的には「小児・思春期の片頭痛予防薬で確立したものはなく,非薬物療法で改善しない例に対し,アミトリプチリン,トピラマート(保険適用外),プロプラノロール,ロメリジンを副作用に注意しながら少量より開始する」とされている1)。投与する際には,予防薬には即効性がなく効果判定には1~2か月は必要であることを事前に説明し,有効性が確認されれば3~6か月程度継続し,減量・中止する2,3)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.