カラーグラフ リンパ節疾患の臨床病理
T cell型リンパ腫
片山 勲
1
1埼玉医科大学・第1病理
pp.1235-1238
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220458
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LSG分類(表)によれば,非ポジキンリンパ腫は3つの濾胞性リンパ腫と7つのびまん性リンパ腫の合計10項目に分類される.びまん性リンパ腫のリンパ芽球型とバーキット型はすでに本連載の前回,前々回で取りあげたが,その臨床像および病理組織像はともにきわめて特徴的であり,免疫学的にはリンパ芽球型がTcell型,バーキット型がBcell型であることなど,記憶に新しいことと思う.
残る8項目のうち,濾胞性リンパ腫は3型ともBcell型であり,多形細胞型はTcell型であるが,あとの小細胞型から大細胞型までの4型はBcell型のこともTcell型のこともある.そこで個々の症例をLSG分類する場合には,10項目のうちのどの項目に該当するかを決めたあと,もし上記の4項目のうちのいずれかである場合には,さらにBcell型であるか,T cell型であるかを免疫学的に検査(または形態学的に推定)して,たとえば"混合型リンパ腫,Bcell型(形態学的推定)"というように,免疫型を形態診断名のあとに付記することがLSG分類の正しい運用法であるとされている.その理由は,同じ分類項目でもBcell型であるかTcell型であるかに応じて,予後や治療に対する反応のうえで相当の差異が認められるからである.
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