今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
免疫からみた呼吸器感染症
非定型抗酸菌症
久世 文幸
1
1京都大学結核胸部疾患研究所
pp.1141-1143
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220432
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結核菌以外の抗酸菌腫(非定型抗酸菌,AM)は現在多種類におよんでいるが,その病原性と本邦での現状を加味して作成したのが表である.感染症一般の現状に共通のことであるが、①日和見感染の増加と,②感染菌種の多様化がその特徴であり,抗酸菌感染症の領域もその例外ではない.
1978年以前はM. intracellulareが原因菌として90%前後を占め,M. kansasiiが7%前後,その残りをM. scrofulaceum,M. fortuitum,M. cheloneiなどがそれぞれ少数例報告されていた.しかし最近数年間の動向として,M. kansasii感染症の急激な増加と,M. szulgai,あるいは従来非病原菌とされてきたM. nonchromogenicumなどによる感染症の報告が相次いでいる.大部分は,肺結核と類似した肺の慢性感染症である.病理所見も肺結核の病理と類似しており,発症機転についても結核に準じて理解しりいるのが現状である
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