病気のはなし
非定型抗酸菌症
束村 道雄
1
1国立療養所中部病院内科
pp.688-692
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204140
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非定型抗酸菌症とは,非定型抗酸菌による感染症である.ここにいう非定型抗酸菌は,英語のatypical mycobacteriaの訳語であるが,抗酸菌にtypicalとatypicalとがあるのは不合理なので,最近はnontuberculous mycobacteriaという語のほうがよく使用される.いずれにしても,結核菌以外の抗酸菌の総称であるが,培養不能の癩菌は含まない.したがって,非定型抗酸菌症は,結核菌以外の抗酸菌による感染症である.
抗酸菌は元来,好気性であるためか,主な感染部位は肺である.しかしリンパ腺,骨髄,関節,皮膚,角膜,胸膜,脳脊髄膜,消化器など多くの臓器に感染することがあるし,全身播種も起こりうる.
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