今月の主題 体液・電解質補正の実際
病態と輸液
浮腫と輸液
折田 義正
1
1大阪大学医学部・第1内科
pp.987-989
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220406
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輸液は浮腫のあるとき必要か
浮腫と輸液とのテーマは本来矛盾するもので,通常の観念に従えば浮腫のあるときの輸液は禁忌である.
しかし,浮腫のあるとき,生体内にはナトリウム,水が貯留しているが,一般に循環血漿量は減少している.筆者にも微少変化群によるネフローゼ症候群患者がステロイド離脱後急激な再跳が生じ,1日尿蛋白量50g以上に及んだ例で,全身浮腫とともに血管は全く虚脱,カットダウンも容易でなく,ショック状態となった経験がある.したがって,ある種の浮腫では輸液により循環血漿量を増加させる必要がある.
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