カラーグラフ リンパ節疾患の臨床病理
バ—キット型リンパ腫
片山 勲
1
1埼玉医科大学・第1病理
pp.893-895
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220378
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今回の主題は悪性リンパ腫の一亜型であるバーキット型リンパ腫である.まず,主題に入る前に簡単ながら悪性リンパ腫の分類にふれ,そのなかでバーキット型の占める位置を明らかにしてみよう.
悪性リンパ腫はポジキン病と非ポジキンリンパ腫に2大別され,さらにポジキン病は4亜型(Rye分類とも呼ばれている)に,非ポジキンリンパ腫は10亜型にそれぞれ分類されている.ポジキン病のRye分類はほぼ確立しており,世界的に広く使用されている.しかし,非ポジキンリンパ腫の分類には意見の異なる専門家達からいくつかの異質的な分類が提唱されており,混乱が著しい.わが国においては,愛知がんセンターの須知博士を中心とするLymphoma Study GroupのLSG分類(表)が一般に用いられている.表のごとく,濾胞性リンパ腫3亜型とびまん性リンパ腫7亜型の計10亜型に分けられ,バーキット型はその最後の項目にあたる.この最後尾にあるバーキット型とリンパ芽球型(次回に述べる)を最初にとりあげる理由は,この2亜型は他の8亜型と異なり,非常に特徴的な臨床像と病理組織像を呈するので理解しやすく,この2亜型から始めることが非ポジキンリンパ腫の全体を理解するために一番の近道と考えられるからである.
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