今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
水電解質の調節系概説
水代謝調節系(体液浸透圧調節系)
吉田 尚
1
1千葉大学医学部・第2内科
pp.748-750
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220330
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水代謝調節系
図1に生体の水代謝とその調節系を示す.正常男子の全体水分量は体重の約60%である.体内の水分は細胞内液・細胞外液に分かれて存在する.細胞内液は全水分量の約3/4(体重の45%),細胞外液は1/4(体重の15%)程度である.水代謝はこの水分の出入であるが,体内に入る水分は水および食物に含まれる水分の経口摂取と,体内で糖質・蛋白質・脂肪がエネルギーとして消費される時に生じる水(燃焼水)である.体外に失われる水には尿,大便中水分,不感蒸散,汗がある.このうち,水代謝として調節を受けるものは飲水量と尿量である.したがって,水代謝調節系は飲水量を調節する口渇感感受機構と腎からの水再吸収量を調節する抗利尿ホルモン分泌調節機構からなっている.
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