今月の主題 消化器薬の使い方
食道疾患
アカラシアの薬物療法
本郷 道夫
1
1東北大学医学部・第3内科
pp.584-585
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220296
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アカラシアは,食道蠕動波の消失と食道下端括約部(lower esophageal sphincter;LES)の弛緩不全を特徴とする原因不明の疾患である.その主な特徴は,LES弛緩不全のため,食物の通過障害が起こることである.臨床症状はこの通過障害に基づくもので,嚥下障害,食物逆流,体重減少が80%以上の頻度で認められる.本症の治療は,LES圧を低下させることにより,通過障害を改善させることに主眼がおかれている.現在,一般的に行われている治療法は,手術による筋層切除術(esophagomyotomy),特殊なバルーンによる強制拡張術(forceful pneumatic dilatation)があり,いずれもLES圧を低下させることを目的としたものである.
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