今月の主題 不整脈診療の実際
各種領域における不整脈診療の特殊性
CCUにおける不整脈管理—心室細動を中心に
田中 啓治
1
1日本医科大学付属病院・集中治療室
pp.74-75
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220180
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急性心筋梗塞の発作直後の死亡率はきわめて高く,死亡例の40〜75%は1時間以内に起きる突然死で,そのほとんどが心室細動(VF)によるという.発作後まもない時期のVFはポンプ不全を伴っておらず,治療に比較的よく反応するといわれる(一次性VF).柴田ら1)は,発症から2時間以内にCCUに収容された急性心筋梗塞患者202例のうち,27例(13.4%)に一次性VFの出現をみた.しかし,緊急治療によって25例(92.6%)の患者を蘇生させることができたと述べている.一方,ポンプ不全に伴う二次性VFは難治で,不整脈の治療とともに心不全やショックの対策も講じなければならない.CCUで厳重な心電図監視を行うのは,かかる重症不整脈を防止,治療するためである.
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