今月の主題 生体防御と感染症
貪食細胞と感染
機能低下と感染
松浦 良二
1
,
小林 正夫
2
1国立療養所広島病院・小児科
2広島大学医学部・小児科
pp.1978-1979
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220011
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貪食細胞の機能低下,すなわち食細胞機能異常症には原発性と続発性のものがある.日常的には続発性のもののほうが病態として多く存在するが,原発性のものも次第に多く報告されつつある.原発性食細胞機能異常症の概容を表に示す.
食細胞の最も大切な機能は殺菌であり,その破綻の結果,種々の微生物(細菌,真菌)に対して易感染性を示す.ウイルスに対する抵抗性は概して正常である.慢性肉芽腫症(CGD)は食細胞機能異常症の代表であり,かつ頻度も最も多い(本邦で80数例に及ぶ).本稿ではCGDを主に概説する.
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