今月の主題 腎疾患—最近の展開とトピックス
慢性透析療法の合併症
感染症
二瓶 宏
1
,
三村 信英
2
1虎の門病院・腎センター
2虎の門病院分院
pp.1802-1803
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219974
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1983年12月における人工透析研究会の調査1)によれば,同年中に死亡した4,538人の中で死因の記載のあった4,097人についてみると,心不全30.3%,脳血管障害14.2%,感染症11.0%であった.患者層の高齢化や原疾患の多様化といった問題はあるにしても,感染症への対策をなおざりにして治療成績の向上は望むべくもない.この背景に,透析患者では,細胞性・液性も含めた免疫不全状態にあること,シャント,尿路・呼吸器系など特有な感染源を有することが挙げられる.このような状況下では,炎症反応に乏しく対応が遅れやすいこと,敗血症といった重篤な感染に移行しやすいこと,治癒が遷延しやすいこと,といった特徴がみられる.
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