今月の主題 抗炎症剤の進歩と使い方
非ステロイド剤最近の動向
持続型非ステロイド剤
景山 孝正
1,2
1前国立相模原病院・整形外科
2リウマチアレルギーセンター
pp.1204-1206
発行日 1985年7月10日
Published Date 1985/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219833
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持続型非ステロイド剤とは
一般の非ステロイド剤(以下非ス剤と略す)に比し,血中濃度とくに有効血中濃度がより長時間持続し,したがって臨床効果もより長時間維持されると考えられる非ス剤が,いわゆる持続型非ス剤である.このような持続型非ス剤が話題になってきたのは,ピロキシカム(フェルデン®,バキソ®)が臨床の実地に登場してからであろう.
従来の非ス剤はほとんどが,経口投与後の吸収,排泄が早く,血中濃度の半減期は数時間までと短く,一般に1日量を3回に分割して投与するのに対し,ピロキシカムをヒトに経口投与した場合の半減期は約40時間と長く1),有効血中濃度や鎮痛・抗炎症効果がよく維持されることから,ピロキシカムでは1日量を1回に投与すればよい.しかし,ピロキシカムがはじめての持続型非ス剤ではなく,すでに約30年前から使用されてきたフェニルブタゾン(ブタゾリジン®)を代表とするピラゾロン系非ス剤は持続型であるといえる.
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