今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望
臨床のみかた
非A非B型肝炎の疫学・臨床像
古田 精市
1
1信州大学医学部・第2内科
pp.992-995
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219781
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ウイルス肝炎の中にはA型肝炎ウイルス(HAV),B型肝炎ウイルス(HBV)以外の肝炎ウイルス感染による一群のウイルス肝炎が存在することは疑いのない事実であり,現在非A非B型肝炎として一括して呼ばれている.
非A非B型肝炎の起因ウイルスの種類は,疫学的研究,臨床像,動物への感染実験の成績などより少なくとも2種類以上あるものと推定されているが,それらのいずれも未だ発見されていない.したがって非A非B型肝炎の診断は,A型肝炎,B型肝炎をはじめ,アルコールや薬剤などによる肝障害,代謝性肝疾患や既知のウイルス(EBV,CMV,その他)の感染による肝障害などの除外診断に頼らざるをえないのが現状である.
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