今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望
ウイルス志向の肝臓病学
織田 敏次
1,2
1国立病院医療センター
2東京大学
pp.976-977
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219776
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肝炎ウイルスB型の,母児感染予防対策が国のレベルで始まる.来年昭和61年1月1日以降の新生児が対象になって,向後40〜50年もすれば,この世から完全に姿を消すはずのウイルスというのである.
わが国のB型肝炎ウイルスは,まずは南からadw,やや遅れて大陸からadrが侵入,そのキャリアの大部分が母児感染による,いわゆる免疫寛容の幼児期感染を経て成立するものと考えられる.それだけに,この母児感染の予防がとくに重要,かつ効果的なのである.
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