講座 Oncology・17
生殖臓器腫瘍(2)睾丸腫瘍
北原 光夫
1,2
1東京都済生会中央病院・内科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.955-958
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219772
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近年,睾丸腫瘍(testicular tumor)の治療は飛躍的に進歩した.その結果,testicular tumorの予後は,固型癌のなかで,最もよいものになってきている.
進歩の最もきわだった点は抗腫瘍剤の効果であり,actinomycin Dのみの時代から,現在,効果が最もあるcisplatin,vinblastine,bleomycinの併用に至っている.第2は外科的手技の進歩であり,後腹膜リンパ節切除が広範囲に行えるようになった点である.このようにして,cytoreductionが有効に行えるようになった.第3には病理的分類が確立され,混乱がなくなった.さらに,非常に敏感で特異的な検査が,radioimmunoassayを用いて行えるようになった.この手技を用いて,human chorionic gonadotropin(HCG)とalphafetoprotein(AFP)の測定が可能となった.これらのマーカーの上昇は腫瘍の存在を意味する.
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