今月の主題 心不全診療の動向
心不全の治療法—適応と使用上の注意
補助循環—心不全と心原性ショックの治療法
高野 照夫
1
1日本医科大学付属病院・集中治療室
pp.48-53
発行日 1985年1月10日
Published Date 1985/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219574
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補助循環とは,ポンプ不全に陥った心臓に対し,機械工学的な機器を用いて心ポンプ機能の一部,あるいは大部分の補助および代行をする治療法である.本法の目的は,全身の臓器循環を正常に維持し,また心臓の前負荷・後負荷を軽減,冠血流量増大,心筋酵素供給増大と需要を減少させ,心筋代謝改善をはかり,心収縮力を強め,ポンプとしての機能を回復することである.
今日いわれている補助循環には,ポンプ不全に陥った心臓のポンプ機能を一時的に補助する装置と,回復不能となった自然心にかわってポンプ機能を完全に代行する完全人工心臓がある1,2).補助循環法にはいろいろあるが,最近臨床的に繁用されているものとして,大動脈内バルンパンピング法(intra-aortic balloon pumping;IABP),体外式パンピング法(external counterpulsation)や左心室補助循環法(left ventricular assist device)がある.
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