臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅹ.内分泌機能検査
163.カテコラミン
梶原 長雄
1
,
村上 彰
1
Nagao Kajiwara
1
,
Akira Murakami
1
1日大駿河台病院・循環器科
pp.2496-2497
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219484
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異常値を示す疾患
血中,尿中Catecholamine(以下CA)のうちNor-epinephrine(NE),Epinephrine(E)の上昇する疾患を表1に示した.CAの低値を示す疾患としては,Shy-Drager症候群,汎下垂体機能不全症などがあるが,CAの低値がそれら疾患の有力な診断の手がかりにはなりにくい.逆にCAが高値を示す疾患のうち,CAの測定が確定診断に役立つものは,褐色細胞腫,交感神経芽細胞腫である.それ以外の疾患で,本態性高血圧症では,正常血圧者に比べ高値のことが多く,発症期には,とくに高値を示す.また腎性高血圧症,悪性高血圧症では高値を示す例が多い.内分泌疾患のうち,甲状腺機能亢進症はChristensenらが低値の報告をして以来,本疾患でCAが低値との報告が多くなり,甲状腺機能低下症は逆に高値の報告がみられる.うっ血性心不全時には,その重症度に一致して,尿中CA排泄量が高まるとの報告や,心筋梗塞時には,その発作時に血中CAが高まるとの報告がある.その他,ストレス,運動時,麻酔下には,CAが一時的に高値を示す.
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