臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
124.血清アミラーゼ
内藤 聖二
1
Seiji Naitoh
1
1順天堂大学災害医学研究所
pp.2400-2401
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219445
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血清アミラーゼの意義
血清アミラーゼ値の上昇する場合は,表1のように多種にわたっているが,主なものは膵疾患,耳下腺疾患,アミラーゼ産生腫瘍と腎よりのアミラーゼ排出障害などである.正常人においてアミラーゼは血液中に放出されており,個人ではほぼ一定であって日常変動,加齢変動は少ない.正常人では血清アミラーゼの起原臓器は膵臓と耳下腺(唾液腺)であり,膵臓では消化管ホルモンであるパンクレオザイミンにより膵外分泌部が刺激され,他の膵酵素とともに膵管に分泌され,膵管よりリンパ系,毛細血管系を経て血中に逸脱してくる.耳下腺では迷走神経の刺激により分泌が起こり,口腔内に分泌されるが,一部は耳下腺内よりリンパ系を経て血中に出現し,両者が血清アミラーゼとして測定されてくる.その大部分は腎より排泄されるが,膵性アミラーゼのほうが腎より濾過される率が多い.正常血清アミラーゼの作用および代謝は不明である.
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