今月の主題 脳血管障害のトピックス
注目される症候
脳底動脈分岐部症候群
冷牟田 英三
1
Eizo Hiyamuta
1
1関東逓信病院・神経内科
pp.1923
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219289
- 有料閲覧
- 文献概要
Hemiplegic Mutism1)
Hemiplegic mutismは,1976年加瀬,冷牟田が報告したmutismと片麻痺を主症状とする脳底動脈分岐部症候群の一型である.病巣は両側視床髄板内核と一側の大脳脚にある.
その症状は突然の意識障害で発症し,呼吸障害を伴うこともある.麻痺は左片麻痺であることが多く,同時に動眼神経麻痺,Parinaud症状,側方注視障害,輻輳障害がある.核上性顔面神経麻痺,仮性球麻痺を伴う.麻痺側に痛覚低下がみられる.意識回復後mutismが持続する.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.