今月の主題 リンパ系疾患へのアプローチ
リンパ系疾患の臨床
リンパ腫―Favorable Type
白川 茂
1
,
北 堅吉
1
,
三輪 啓志
1
Shigeru Shirakawa
1
,
Kenkichi Kita
1
,
Hiroshi Miwa
1
1三重大学医学部・第2内科
pp.1772-1774
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219253
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リンパ節やリンパ組織をもつ臓器に原発する非上皮性悪性腫瘍である悪性リンパ腫は,ホジキン病(HD)と非ホジキンリンパ腫(NHL)に二大別され,この両者は病理組織学的所見,疾患の自然歴を含めた臨床病態など,生物学的な特性の相違により,区別して検討されている.
HDについては,欧米ではmustargen,oncovin,procarbazine,prednisoneの4者併用によるMOPP療法を始めとする多剤併用化学療法の導入により,病期Ⅲ,Ⅳ期の進展症例でも治癒が期待されるようになり1),長期生存例の増加とともに他種の二次性悪性腫瘍の発生が問題になっている2).一方,NHLは生物学的に多様多彩なリンパ腫が包含されているが,しばしば予後的見地から病期の進展症例でも,①予後良,好群("good-risk" or "favorable" group),②予後不良群("poor-risk" or "unfavorable" group)に二分される3).通常,予後良好なリンパ腫(favorable lymphoma)という場合はNHLの予後良好群を指す場合が多いが,本稿ではリンパ腫―favorable typeとしてのHDに触れ,ついでfavorable NHLにつき述べてみる.
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