今月の主題 糖尿病診療の実際
合併症
糖尿病性壊疽
松田 文子
1,2
Ayako Matsuda
1,2
1自治医科大学・内分泌代謝科
2宇都宮大学・保健管理センター
pp.1028-1029
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219077
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糖尿病患者の足に生じる壊疽には動脈硬化の結果の血流障害によって生じる虚血性壊疽と糖尿病の代謝異常とくに末梢知覚神経障害や自律神経障害と密接に関連し,皮膚の細小血管症もその成因となっていると考えられる糖尿病特有の壊疽とがある.この二者は成因が異なるのみならず,病像,臨床経過,治療方法,予後はまったく異なる別種の疾患と考えるべきである.とくに後者の糖尿病特有の壊疽はむしろ潰瘍とよぶべき病態をとる.ここでは糖尿病性潰瘍とする.欧米ではneurotrophic,necropathic ulcerと称される.むしろ神経障害性潰瘍とした方が適切であろうか.
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