気管支喘息包囲網-喘息死ゼロへ向けた最後の10年へ
気管支喘息と類縁疾患 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
放生 雅章
1
1国立国際医療研究センター病院 呼吸器内科
キーワード:
放射性アレルゲン吸着試験
,
Steroids
,
アスペルギルス症-アレルギー性気管支肺
,
X線CT
,
Itraconazole
Keyword:
Aspergillosis, Allergic Bronchopulmonary
,
Radioallergosorbent Test
,
Steroids
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Itraconazole
pp.476-479
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011320549
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●ABPAの有病率は喘息患者全体の1%以下であるが、重症例ではその10倍以上とされ難治性喘息の一因をなす。●HRCTの導入や血清学的診断法の進歩にもかかわらず、1977年のRosenbergの診断基準が現在も用いられている。●かつてはその約半数がステロイド依存性喘息となり、残りの1/3は線維化をきたすきわめて予後のわるい疾患とされてきたが、近年の診断・治療の進歩により早期かつ十分な治療を行えば、予後的にはわるくないと認識されつつある。●早期診断の点では、血清学的基準のみ満たし中心性気管支拡張像を認めないABPA-S(serologic)の段階での診断が望ましく、治療面では初発・急性期に十分な全身性ステロイドとアゾール系抗真菌薬の使用が推奨される。
©Nankodo Co., Ltd., 2011