新薬情報
シスプラチン(cis-platinum)—商品名:ランダ注Randa〔日本化薬〕—制癌剤
水島 裕
1
Yutaka Mizushima
1
1聖マリアンナ医科大学・第1内科
pp.546-547
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218972
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概略
シスプラチンは白金化合物で,ユニークな制癌剤であり,これまでのどの制癌剤とも異なった構造,異なった性質をもち,しかも強力な効果を有する.白金化合物に,抗菌作用,抗リウマチ作用などのあることが知られていたが,1960年代,大腸菌の分裂増殖をシスプラチンが抑制し,これが主としてDNA合成による作用であることが見出され,次第に悪性腫瘍の治療薬として研究が進んだ.シスプラチンは,すでに米国やヨーロッパ各国で市販され,副作用の多いことに問題はあるが,強力な抗悪性腫瘍剤として認められ,最近の制癌剤の中では,その効果が強いことで画期的なものである.
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