臨床メモ
肺炎の診断
北原 光夫
1,2
Mitsuo Kitahara
1,2
1東京都済生会中央病院・内科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.516
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218964
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肺炎の診断は,原因菌による分類(viral,mycoplasmal,bacterial),起こりかたによる分類(communityacquired vs hospital acquired),さらにX線・病理的分類(lobar vs interstitial)などによってなされ,治療の指針を得ることができる.
肺炎の診断と治療において有意義なポイントの1つは,肺炎が入院中に起きたか,あるいは病院の外で起きたかということである.つまり,院内感染と院外感染では原因菌が異なるからである.院外感染による肺炎の大部分は肺炎球菌とマイコプラズマによってひき起こされるが,他にインフルエンザ菌,ブドウ球菌も忘れてはならない原因菌である.溶血レンサ球菌による肺炎は稀である.グラム陰性桿菌による肺炎は院内感染が大部分であるが,肺炎桿菌(Klebsiella pneumonlae)による院外感染の肺炎があることは念頭におく必要がある.
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