今月の主題 新しい栄養療法
完全静脈栄養法(TPN)
末梢静脈高カロリー栄養法
松浦 昭
1
,
小林 世美
1
,
春日井 達造
2
Akira Matsuura
1
,
Seibi Kobayashi
1
,
Tatsuzo Kasugai
2
1愛知県がんセンター病院・第1内科
2愛知県がんセンター病院
pp.38-40
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218849
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
輸液に際して従来は水分,電解質を投与するという考え方が主流であったが,最近では常にいかにして病態に応じた適切な栄養補給をするか考えて輸液が施行されるようになってきている.慢性飢餓状態,糖尿病,肝疾患,炎症性大腸疾患,消化管痩を有する患者,短腸症候群,菌血症,手術直後の2〜3日などの場合,栄養代謝がかなり特異的に変化しており,それぞれの病態における栄養代謝の概要を理解して輸液計画を立てなければならない.栄養補給といってもむやみに与えさえすれば生体が適切に代謝するものではなく,不適切な栄養投与は逆効果をもたらす危険がある1,2).
一般に,栄養補給には末梢静脈からの輸液,中心静脈栄養および経腸栄養がある.最近,後二者の発展の著しいことは周知のごとくである.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.