臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
XII.癌
癌の合併症の対策
244.悪性腫瘍に合併したDIC
西口 修平
1
,
巽 陽一
2
,
山本 祐夫
1
Syuhei Nishiguchi
1
,
Yoichi Tatsumi
2
,
Sukeo Yamamoto
1
1大阪市立大学医学部・第3内科
2大阪市立大学医学部・中検
pp.2648-2649
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218785
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悪性腫瘍は,内科領域において,最もDICを起こしやすい疾患とされている(図1).大部分は悪性腫瘍末期に発生するが,悪性腫瘍に対する積極的な治療を契機として発症するものも少なくない.このような症例に対し,早期より適切な治療がのぞまれるが,原疾患や治療に伴う検査値の変動,たとえば転移,抗癌剤による血小板数減少や凝固因子の減少が認められることも多く,DICの診断をする上で十分留意しなければならない.そのために,種々の診断基準が提唱されているが,最近では前川らの診断基準がよく用いられている(表1).
しかしながら,この診断基準を用いても,DICと断定しがたい症例も多く,筆者らは,表2の5項目のうち3項目以上を満たす症例をpre DIC(DIC準備状態)とし,早期より積極的に治療を行い,臨床症状,検査データの経時的推移を追っている.
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