臨床研修セミナー 術前術後のチェックポイント
合併症手術の術前術後—DIC
塚原 嘉治
1
Yoshiharu Tsukahara
1
1信州大学医学部産婦人科学教室
pp.240-242
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904837
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産婦人科では他科より大量出血に遭遇する機会が多く,とくに妊娠では合目的的な意味合いから凝固能亢進,線溶抑制がみられるなど,いわばDIC準備状態といえる環境下にある。なかでも早剥や各種産科操作時には子宮内にある凝固促進物質が流入してDICを発症し易い。弛緩出血や頸管裂傷などに伴う出血性ショックでも末梢循環不全を生じ,その結果凝固系カスケードを活性化せしめDICに発展することが多い。
婦人科領域でもグラム陰性桿菌感染によるエンドトキシン・ショックや悪性腫瘍による組織破壊などが引き金となってDICが発生し易い。
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