臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
糖尿病合併症の治療
192.低血糖に対する指導・処置
陣内 冨男
1
Tomio Jinnouchi
1
1陣内内科病院
pp.2520-2522
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218733
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低血糖とは血糖値の比較的急激な低下や血糖値の生理的下限よりさらに低下した状態をさす一つの症候群であり,この状態は早急な処置がなされないと,さらに悪化し,低血糖昏睡を生じ,進行すると呼吸麻痺を起こして死の転帰をとる.死亡するまでには至らなくとも低血糖状態が遷延すると病態は不可逆的となり後遺症を残し,低血糖昏睡から覚醒した後にも意識障害,精神障害,麻痺などをみるようになる.一方,早期に発見し,適切な治療を行うことにより,何の障害も残さずに低血糖昏睡より回復させることができる.
今日その危険性の高いものは糖尿病治療中の内服血糖降下剤使用者およびインスリン使用者であり,重症低血糖の起こる頻度も最も高いといわれている.
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