今月の主題 各種病態における抗生物質の使い方
新しい抗生物質の理解のために
付)セフェム系抗生物質によるジスルフィラム(アンタブース)様作用
酒井 茂
1
,
熊本 悦明
1
,
古屋 聖児
2
,
横山 英二
2
,
青山 龍生
3
,
本間 昭雄
3
Shigeru Sakai
1
,
Yoshiaki Kumamoto
1
,
Seiji Furuya
2
,
Eiji Yokoyama
2
,
Tatsuo Aoyama
3
,
Akio Honma
3
1札幌医科大学・泌尿器科
2北見赤十字病院・泌尿器科
3旭川赤十字病院・泌尿器科
pp.1934-1937
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218523
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近の抗生剤開発にはめざましいものがあり,感染症治療の進歩に大きく貢献している.その中心は,β-lactam系抗生剤,とりわけcephem系抗生剤であり,抗菌力の増強や抗菌スペクトラムの拡大をめざし,いわゆる第2・第3世代のcephem系抗生剤が多数開発され,日常臨床で広く使用されている.Cephem系抗生剤は,従来より比較的安全な薬剤として日常臨床で繁用され,その副作用としては,抗生剤自体の腎・肝毒性などのほかは,アナフィラキシー反応があげられている程度であった.最近,cephem系抗生剤の投与中または投与後に,alcoholを摂取するとdisulfiram(antabuse)様作用を示すことのあることが報告され,ある種のcephem系抗生剤とalcoholの相互作用について注意が促されている.
本稿では,cephem系抗生剤によるdisulfiram様作用について,自験例をまじえて解説する.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.