今月の主題 血小板の臨床
血小板輸血
血小板保存の現況
湯浅 晋治
1
Shinji Yuasa
1
1順天堂大学医学部・輸血学研究室
pp.1718-1720
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218476
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近年白血病や再生不良性貧血をはじめとして,血小板減少症の出血に対する血小板の需要は急速に増大してきた.昨年度の日赤の血小板の供給量は162万単位で,前年度の135万単位より20%も増加している.最近では自動血液成分採血装置を用いて,各施設で独自に同一供血者より大量の血小板を採取し輸注を行っているが,まだ大部分は日赤センターからの方法にたよっている.そしていつも問題になるのは,出血は突発的であるため,その必要量を,必要なときに十分に供給してもらうことが困難なことである.
これは血小板の寿命が赤血球に比べてはるかに短く,その機能も凝集能,粘着能,放出能など複雑であるため,液状では血小板分離後6時間以内に使用しなければならない規制があるからである.
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