今月の主題 血小板の臨床
血小板の基礎
血栓症の発生における血小板の役割
田中 健蔵
1
,
石井 寛
2
Kenzo Tanaka
1
,
Yutaka Ishii
2
1九州大学医学部・病理学教室第1講座
2九州大学医学部・病理学教室
pp.1660-1665
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218455
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血栓とは生体の心臓・血管内において血液が凝固して生じた塊で,これが形成される病的現象を血栓症という.
血栓症は,血栓による血管腔の狭窄,閉塞をきたし,主要臓器,たとえば,心,脳,肺などに虚血性病変や梗塞を生じ,それらの臓器の機能障害を招来して,臨床的に重要な疾患を惹起する.さらに近時腎炎や肺臓炎などの免疫学的機序による臓器炎の発生病理や,臓器,代用血管移植時の随伴病変として注目され,また血管内凝固症侯群が特異な病態として注目されている.
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