誌上シンポジウム 医学教育を考える—より優れた臨床医の教育のために
プライマリ・ケアからみた卒後教育の問題点
村山 正昭
Masaaki Murayama
pp.1218-1221
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218362
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卒後ただちに専門科に入り研修を開始するストレート方式に対して,ローテイトでなくてはいけない理由は何かとの指摘に対しては,プライマリ・ケア(以下PC)をすこしでも経験すればその答は明らかなように思う.しかし現在そのシステムがないからgeneralな研修を保証できない,あるいはgeneralな研修の必要を感じながらも専門科にストレートに入ってしまうというのが現状ではないだろうか.
そして一定期間の修練をおえた医師が独立して医療を行ってみると,これだけの経験があったのだからこなしていけるはずと思っていたことが,実際はまったく無力であったり,経験例と相違した結果に終わることがしばしばである.研修内容に不備があったためではなく,一定期間にしぼった卒後研修については万全でかつ普遍的な方式はあり得ないのではないか.昭和45年に卒業後,東京警察病院内科における5年間の経験をもとに問題点を具体的にあげてみた.
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