今月の主題 水と電解質
調節因子とその異常
抗利尿ホルモン
中尾 彰秀
1
,
清水 倉一
1
Akihide Nakao
1
,
Kurakazu Shimizu
1
1東京大学医学部・第1内科
pp.698-700
発行日 1983年5月10日
Published Date 1983/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218249
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ヒトの抗利尿ホルモン(ADH)であるアルギニンバゾプレッシン(arginine vasopressin:AVP)は視上束核および室旁核で合成され,下垂体後葉に貯蔵され,放出刺激に応じて血中へ放出される.このホルモンは腎の集合管に作用して水透過性の変化をもたらし,水分の排泄を調節することによって体液の浸透圧および体液量の維持に重要な役割をはたしている.表のごとくAVPの分泌は種々の因子によって調節あるいは影響を受けているが,最終的には視床下部-下垂体系へ伝達されて分泌刺激または抑制刺激によって調節されると考えられている.
本稿ではAVPの分泌を調節する主な因子について若干の解説を加えるとともに,分泌異常をきたす病態について簡単に触れてみたい.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.