今月の主題 膵疾患診療のトピックス
トピックス
膵の発生異常—膵管形成異常
土岐 文武
1
Fumitake Toki
1
1東京女子医科大学・消化器内科
pp.590-592
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218229
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膵は複雑な発生過程を経て形成されるが,いわゆる先天性奇形といえるものは少なく,頻度も高くない.しかし,導管系である膵管系は非常にバリエーションに富んだ形態を有している.近年,膵の形態学的検査の進歩と普及により,新らたにいくつかの発生異常が臨床的に,とくに膵炎との関連において注目されるようになってきた.
本稿では,ERCPによる膵管像より膵の発生異常(バリエーションも含む)と思われるものをとり上げ,とくに頻度も高く,最近注目されている腹側膵管と背側膵管の非癒合例(以下,非癒合例)を中心に,それらの臨床的意義および取扱いについて述べる.
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