今月の主題 呼吸不全—その実態と治療
リハビリテーション
在宅酸素療法
荒井 達夫
1
Tatsuo Arai
1
1自治医科大学・呼吸器内科
pp.422-423
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218189
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慢性呼吸不全の特質は,加療により安定状態に達したのちにもなお慢性に低酸素血症が残存するところにある.原因疾患あるいは基礎病態の進行を阻止し,残存機能を最大限にひきだすことが治療,管理の要点となるが,その意味でも,長期の入院加療から,酸素療法を継続しながら家庭へ,そして望むらくは職場へも復帰させることは有意義であり重要である.
長期在宅酸素療法long-term home oxygen therapyは慢性呼吸不全症例の余命を延長し,生存の質を高めることが近年明らかにされている1,2).わが国では,芳賀の全国主要施設へのアンケート集計によれば,900余名が6カ月以上の長期酸素療法を受けており,そのうち213例が在宅して本療法を受けている3).このように本療法は近年注目され,重視されてきているが,一方では,家庭で酸素を扱うことになるので,その維持,管理および内外に対する安全性への配慮が必要となる.
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