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人間ドックの現状と問題点(鼎談)
秦 葭哉
1
,
西崎 統
2
,
内藤 周幸
3
Yoshiya Hata
1
,
Osamu Nishizaki
2
,
Chikayuki Naito
3
1慶応義塾大学医学部・内科
2聖路加国際病院・内科
3東京逓信病院・内科
pp.124-137
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218123
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内藤(司会) 今日の人間ドックは,いまから約30年ほど前の1954年(昭和29年)に,保健同人社の大渡順二氏の発案で,国立東京第一病院でスタートしたと承っております.聖路加病院の橋本寛敏先生がそれに初めから参加されて,積極的にそれを推し広められております.私は,実はアメリカからの輸入かと思っていたのですが,むしろアメリカが日本から輸入したようです.
橋本寛敏先生の言葉を借りますと,人間ドックというのは「いろいろの重症,軽症の患者を診察することに慣れている医師でなければ,まだ病状を示していない疾患を早く発見して,発病を未然に防ぐことができないから,人間ドックは常にいろいろの疾患の検診になれている臨床家がしなければいけない.それでなければできない」ということですが,現状の人間ドックはといいますと,私はあまりにも機械的になって,臨床家の仕事からは離れているというような印象を受けております.
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